夢は現(R18/オニラン)
ゴーマン商事の新社屋完成記念パーティーは某ホテルで行われた。列席した各界の錚々たる面々の中には世界樹の国の王宮から招待したサフランとランチの姿もあった。
「これはどうも、ご足労いただき誠に恐縮です、サフラン嬢にランチ嬢」
二人の姿に気付いたオニオンが歩み寄りそう声をかけると、眼鏡の奥のサフランの眼は警戒の色を孕んで鋭くオニオンを捉える。
「……一応、王宮の取引相手でもありますので、招待されれば来ないわけにはいかないでしょう」
「相変わらず手厳しいですな。そう警戒せずとも今夜は祝いの席です、妙な真似はいたしません。過去の遺恨や蟠りはあるでしょうが今夜だけは忘れてパーティを楽しんでいただければ幸いです」
そう言って微笑んでみせてもサフランの冷たい視線は変化を見せなかった。しばし無言のまま睨み合いが続く。
「ねぇ~サフラン~、このお酒、すっごくおいしいの~!」
サフランがオニオンに気を取られている間に、ランチはサーブされたカクテルを飲んでいたようだった。耳まで真っ赤に染まったふにゃふにゃの笑顔で後ろからサフランに抱き付く。
「ランチ! あれほどあなたはお酒を飲まないようにと言ったのに、もう……困った人ですね」
「なぁんかねぇ~、あはは、すっごく気持ちよくって、眠くなってきちゃったぁ~……」
「仕方ないですね……始まって早々で悪いですが我々は失礼させていただきます」
そう告げてサフランがふにゃふにゃに力の抜けたランチの肩を引き摺って歩き出そうとするが、それをオニオンが呼び止める。
「お二人は馬車で来られたのでは? それでしたら振動で酔いが回って吐いてしまってはいけませんし、ホテルに部屋を用意させますので、今夜は泊まって休まれて明朝帰られては如何ですかな?」
「そんなご迷惑をおかけする訳には参りませんので、これで失礼いたします。さあ、行きますよランチ」
「ホテル~、お泊り、したい~! ねぇサフラァ~ン!」
「……ランチ、置いて帰りますよ」
「え~、やだ~! サフラン置いていかないでぇ~!」
絡み酒といえばいいのかランチはサフランの首に腕を回し甘えるように頬をなすりつけて駄々をこねる。オニオンとサフランが対峙していた時間はごく短く、今日はそんなに強い酒は用意していない。それにも関わらずこの有様なのだから、ランチという女は相当酒に弱いのだろう。今までは知りようもなかった一面だった。
「君、今日はダブルかツインの空き部屋はあったかね」
「少々お待ちください、確認して参ります」
これはとっとと話を進めた方が早いだろうと思い、オニオンは通りかかったスタッフの女性に声をかけた。スタッフはすぐに戻ってきて、申し訳なさそうに頭を下げた。
「申し訳ございません、本日は遠方からのお客様も多いのでツインもダブルも埋まっておりまして、シングルのお部屋しか空きがございません」
「隣同士の二部屋は取れるかね?」
「申し訳ないのですがそれも……少し離れてしまうかと存じます」
「ちょっと待ってください、何を勝手に話を進めているんです。我々はもう帰りますので」
「ええ~、お泊りしようよぉ~、サフラン~!」
絡み酒のランチの対応に苦慮していたサフランがオニオンが部屋を用意しようとしている事に気付いて声をかけてくる。だがその後ろからサフランに甘え寄りかかるランチの様子を見てオニオンは苦笑を零した。
「ご安心を、他意はございませんので。この程度の事であなたを懐柔できるなどとそんな甘い考えはさすがにございません。ただそのご様子では帰るのも一苦労ではないかとご心配しているだけです。君、世界樹の国の王宮からのご客人二人に至急部屋の用意を。なるべく同じ階で番号の近い部屋で頼む」
「かしこまりました」
ランチに絡まれているサフランが口を挟む間もなく話が進み、ゴーマン商事直営ホテルの優秀なスタッフはシングルルーム二部屋を確保しすぐに戻ってきた。憮然とした表情のサフランに睨み付けられても気にした様子もなく涼しい顔でオニオンは提案を口にする。
「そちらのお嬢さんはもうお休みになった方がよいのではないですかな? スタッフに部屋まで案内させますので」
「やったぁ~、お泊りだぁ~! えへへ、うれしいねぇサフラン~!」
サフランの首に抱きつき纏わりつくランチを引き摺りながら、サフランはオニオンではなく隣のスタッフに目線を向け手を差し出した。
「結構です、我が国の恥はわたくしが処理いたしますので。部屋のキーを」
「君、キーをお渡しして。その眠り姫を寝かしつけたらサフラン嬢は是非お戻りを。我が社を挙げての歓待はまだこれからですので」
「……気乗りはしませんが、これでも国の代表として参っておりますので。このまま部屋に籠もるような礼を失する真似はいたしませんので余計な心配はご無用に願います。ではまた後程」
スタッフからキーを受け取るとサフランはさっと目線を落として部屋番号を確認し、ランチを引き摺って歩き出した。
「君、付き添ってお手伝いを。それから……——」
オニオンに何事かを耳打ちされたスタッフはすぐに駆け出しサフランの後を追った。どの道サフラン一人ではランチをベッドに寝かしつけるのも一苦労だろうしこれは当然の計らいだ。だがそれとは別に、制御できない好奇心のような類の何かが心の奥底でむくりと頭をもたげるのをオニオンは感じていた。
パーティも終わり招待客も近郊に住む者は帰り遠来からの客はホテルの自室へと入りすっかり辺りも寝静まった深夜、ランチが眠る部屋の前にはマスターキーを持ったオニオンが佇んでいた。
抱いていたのは強い興味だった。立ちはだかる敵を悉く排除し十数年でゴーマン商事を世界有数の企業に育て上げたオニオンを打ち負かした、唯一の少女。故郷を救った恩義と利害の一致で完全に掌握していたと思っていたフェンネルの心を翻させた少女。彼女が持っていて自分が持っていないものとは何なのか、未だに答えは出ていない。
小うるさい精霊は好みの味のカクテルを数杯飲ませると少女のように簡単に酔っ払いあっという間に眠った。サフランは別室で就寝している筈だし、そしてここはゴーマン商事直営ホテル。オニオンを邪魔する者は今は誰もいない。キーを差し込み静かにドアを開くと、滑り込むように中に入って音を立てないようにドアを閉じる。
月明かりの下ベッドに眠るランチの無防備な寝顔はどこにでもいるような取り立てて特徴もないありふれた少女のもので、こんな小娘にしてやられたのは何故だろうという疑問と興味が増々強まっていく。まだ大人の女性になりきれていないあどけなさの残るその寝顔を見つめながら、心が波立つのを鉄面皮の下でオニオンは感じていた。
人は皆自分の都合で動いている。国家間の情勢が悪くなりいつ戦争が起きてもおかしくない国境の村にキッチンカーが寄り付かなくなったのは当然の話だったがまだ子供だったオニオンの心にはそれは裏切りとして刻み込まれた。だがこの少女はキッチンカーの持つ力をどこまでも信じ、文句の付けようもないほどにそれを証明してみせた。食が人の心を繋ぎやがて国と国とを繋いでいく、そんな離れ業を成し遂げてみせた。
この身体のどこに、そんな力が眠っているというのだろう。気付けば暴き立て探り当てたくなっていた。熟睡している相手の衣服を脱がせる程度の事に今更罪悪感や抵抗など覚えはしない。マスターキーをサイドテーブルに置き、上着とシャツのボタンを外し前を開け、背中に手を回してブラジャーのホックを外す。緩んだブラジャーを上にどけると大きいわけでも小さいわけでもない半球形の乳房がぷるりと揺れ露わになった。特に何の感慨も覚えない、至って平均的な普通の女性の身体だ。
何を期待していたというのだろう自分は、この少女の外見に答えがあるならばとうの昔に見出している。だがそれでも好奇心と興味は尽きず、何か特別に人を惹き付けるようなものがあるのではないかという期待から反応を見てみたいという欲求に駆られる。両手で崩れそうなほど柔らかな乳房を包み持ち、ランチが起き出さないよう緩やかに優しく揉み解す。ランチの寝息が僅かに乱れて甘やかな吐息が漏れ、軽く首が揺らめいたが起きる様子はなかった。
どれだけ酒に弱いのかと半ば呆れたような心地を覚えながら靴を脱ぎベッドの上に乗り上げてランチの上に跨がり、柔らかく乳房を揉みしだきながら舌先で乳輪をぐるりと舐め回す。んん、と鼻から甘ったるい声は漏れたもののランチは依然起きる気配は見せなかった。起きた時はその時だ、妙に腹の据わった気分になりまだなだらかな乳首を舌先で刺激するとすぐにぷくりと大きく膨らんだ。部屋の照明を落としているため色付く様を見られないのは少し残念だったが、別にそれほど見たいわけでもないと思い直しぷくりとした乳首を舌の上で転がす。掌への収まりがよく揉み心地のいい乳房はオニオンの手指の動きで自在に形を変えていく。乳房を揉みしだく手の動きもかなり大胆なものになってきていたが、それでもランチは一向に眼を覚まそうとはしなかった。ただ、寝息に甘い吐息めいた音は混じっていて、身体は反応を示しているようだった。もう片方の乳首にも吸い付くと、膨らんだ乳首を舌で転がすだけではなく甘く噛んでみる。ぴくりと身体が揺れ微かに顎が上がったが、それでもまだ起きない。そんなに強くもないカクテル一杯でここまで熟睡するとはよほど酒に弱いのか、それとも日頃の疲れが出ているのか。マルシェで忙しく走り回っていたランチの姿を思い出し、王宮での仕事振りも似たようなものなのだろうと容易に想像がついた。だからといってこれはいくらなんでも熟睡しすぎというものだ、他人事ながら少々心配になってくる。かといってやめるわけではなく、なだらかな腹部と脇腹の曲線を唇と手を使いなぞっていく。
今まで抱いてきたものと大した違いはない、何の変哲もない少女の身体だった。やはり際立った感慨は特にないし、これだというものも見当たりはしない。瑞々しくすべらかな肌の感触は心地良いし性的興奮を掻き立てられはするが、それはオニオンが今探しているものとは違う。
多くの人の心を繋ぎ、惹き付けてやまぬもの。それはこの身体のどこかに存在する筈だった。それに触れそれを確かめ暴きたい。この細く小さな身体の内側のどこかにオニオンさえ打ち負かす力が秘められている筈なのだ。その人物に関わる大まかな概要は身体を重ねれば大体見えてくる、それはオニオンの経験則だった。表向きに付けた仮面を剥ぎ取り素肌と痴態を晒させれば、どの程度の人間なのかは大体分かる。
それを見極める為にはランチが起きてくれた方が都合がいいのだが、騒がれるのも困る。どうしたものかと考えながらズボンのボタンに手をかけチャックを降ろし下着と一緒にそっとずり下ろす。ズボンと下着を脚から抜くと鼠径部の慎ましやかな茂みの奥から甘い雌の芳香が匂い立ってきて、ここまでされてもまだ起きないほどぐっすりと眠っている割にはとやや呆れながらも引き寄せられる。
割れ目をつうと指でなぞると、ぬるついた湿り気を感じるがまだ充分に潤ってはいないようだった。これはいっその事起こしてどうにか誤魔化してしまった方がいいかもしれない。膣口から湧き出た愛液を小陰唇の襞に塗り込み滑りを良くしながら刺激を加えていくのを繰り返しつつ指を前へと進ませ、やがて陰核に至ると刺激の強さにさしものランチも目を開けた。
「ひゃっ!? あっ、え……? えっ? オニオンさん? なんでっていうか何してる……んですか?」
「見て分からんかね」
「ぜ、全然分かりません! とりあえず手! 手をどけてください!」
言いながらランチが膝を閉じようとするのを両肩で阻み、愛液でぬるついた指先で陰核をぐるりと刺激してやる。
「やっ! あっ、あぁん……っ! やっ、そっ、そこ……っ、やめてください……っ!」
「ここでなければいいのかね?」
愉快げに微笑むとオニオンは既にたっぷりと愛液を塗りつけぬめらせておいた小陰唇の襞を二本の指先で掻き回していく。その刺激にもランチは肩を縮こまらせ声を上げそうになる口元を必死に押さえていた。
「やっ、あっ、あぁっ、なんで……っ、こんなぁ……っ、あっ、んんっ、はぁ……っ、やっ、やだっ……」
「……君は、私が君にこんな事をすると思うかね?」
「か、考えた事もありません!」
「そうだろう。こんな事が起きているのは、これが君の夢だからだ」
「ゆ……夢? これが……?」
あまりに突拍子もないオニオンの言葉に、状況も忘れてランチはぽかんとした顔でオニオンを見つめた。
「そうだ。だから起きた頃には忘れている。こんなに卑猥な夢を見るとは、見た目よりも淫らとみえる」
「ちっ! 違います!! こ、こんなの……夢でだって初めてなのに……」
「ほう、では、夢とはいえ君の初めての男は私というわけか。光栄なことだな」
内心の動揺をおくびにも見せずに静かにオニオンは告げた。あれだけこの少女に入れ込んでいた様子のフェンネルが手出しをしていないとはまさか思わなかった。逆に軽々しく手など出せない程に本気だったという事か。
だからといって罪悪感の類は特に湧かない。さっさと手出ししておけばオニオンに横合いから掻っ攫われる事もなかったのだ。どういう訳かオニオンの突拍子もない説明にランチは納得した様子でこれは夢だと思っているようだが残念ながら現実だ。無論、あれは夢だったのだと思わせるための後始末を怠る気はないが。
複雑に絡み合い折り重なった小陰唇の襞をなぞりめくり折り込む指の動きを止めずにいると、ランチの吐息はどんどん荒く甘くなっていってどうにか逃れようと身を捩るが左手で肩を掴まえ逃げ場をなくしてやる。
「そんなに感じやすいのは酒のせいかね?」
「そんなの……分からない、です……、はじめて、なのに……」
「ではもっと悦くしてあげよう」
言いながらランチの肩から左手を外したオニオンは両手てランチの太腿を抱え持ち、茂みの奥へ顔を埋めた。散々指先で弄くり回されて腫れぼったい熱を帯びた陰部に突然柔らかくぬるついた熱い感触が絡み付いてきて、ランチの顎が大きく上がった。
「ああっ! あっ、やっ、やだっ、いやっ、あぁんっ、んっ、そんな……とこっ、だめ、ですっ……舐めないでっ、やだぁっ、きたない、からぁっ……!」
逃れようにも両腿を抱えたオニオンの腕の力は強く、とてもではないが振り解けそうにはない。ずぞぞと音を立てながら愛液を啜りランチの羞恥心を煽りながら陰部を這い回っていたオニオンの舌先は膣口に浅く入り込んでは引き抜きを繰り返し、その動きに反応してかじゅくじゅくと愛液が膣口から滲み出ていくのを感じてランチの羞恥心はますます大きくなっていく。
「やっ、やだっ、もうやめて、くださ……っ! あぁっ、あっ、そこ、やだぁ……っ!」
「感じているようだが? こんなに蜜を溢れさせて」
「ちがっ……やだっ、そこ……いやです……っ、なんか、おかしい、から……こわい……っ!」
「そうか、ならばここは一旦やめにしておこう」
オニオンのその言葉にランチがほっとしたのも束の間、オニオンの舌先は次に指で触られただけでランチが目を覚ますほど強い刺激を与えられた箇所をなぞっていた。舌先で器用に包皮が剥かれ、硬くなった核が舌先で嬲られる。
「ひぁっ! あっ、やぁっ、あっ、ああぁっ、んんっ、いやっ、あぁっ、もっ、んっ、あっ、やめっ、やめてっ、あっ、あっ、ああぁっ!」
制止の言葉をオニオンは今度は聞き入れず容赦なく敏感な部分を責め立て嬲る。涙が出そうなほど苦しいのに電流のような快感が絶え間なく背中から頭の天辺に駆け上がっていき、意識はどんどんと白くぼんやりとしてふわりと浮かんでいく。脚がぴんと攣って体が強張っていって、何か未知のものが押し寄せてこようとしているのを頭のどこかが感じ取っていた。
「やっ、ああっ、あっ、やだっ、なんかっ……なんか、くるっ、くるからっ……だめっ、もう……っ、ゆるして、くださ……っ、ああっ、くるっ、きちゃうっ……!」
必死の懇願にも関わらずオニオンの舌先の動きは止まず、ランチの頭の中で何かが弾け真っ白に染まり痺れのような甘美な感覚に襲われ覆い尽くされるのと同時に全身ががくがくと震え、引き攣れるような甘い声が呼吸と共に喉から漏れ出しやがて全身に力が入らなくなって脱力してしまう。
その様子を頭を上げ眺めていたオニオンは、ふむ、と特に何の感慨もないような声を漏らした。
「やはりどうもよく君の事が分からんな……こうしてみれば何かしら分かりそうなものだが」
平坦な声色のオニオンの言葉の意図がよく掴めず、ランチは荒い息を整えながら眉根を寄せた。
「裏表もなく、恥じらいのある平凡な処女そのものでそれ以上ではない。君のどこにあのような力が潜んでいるというのだ?」
「……力、って、なんの、話……ですか……?」
「なに、こちらの話だ、気にせずともいい」
鉄面皮のままオニオンはかちゃりと音を立ててベルトを外し、ズボンのボタンを外してチャックを下ろす。何が行われようとしているのかさすがにいくら鈍感なランチといえど察することはできる。慌てて脚を閉じると身体を起こしてオニオンの手を掴み制止しようとする。
「なっ、何してるんですか! やめてください!」
「どうしてだね、これは君の夢なのだよ? 君が望むからこうなっているのだ」
「こっ、こんな事望んでません!」
「本当にそうかね?」
脚の隙間から入り込んだオニオンの手がいとも簡単に陰部を捉え、中指の先がつぷりと蜜壺に挿し挿れられる。
「ひあぁっ! あっ、あぁっ……やだっ、あんっ……んっ……」
「甘い蜜をこんなに滴らせて、中もこんなに熱くして。本当はもう欲しくてたまらないのではないかね?」
「ちっ、ちがっ……あ、やぁっ、ああっ、あっ、ひぁっ……!」
次々に指先が侵入してきて、三本の指が内壁を解すように蠢きながら出入りを繰り返す。内側は感覚が鈍いのか与えられるのは強烈な刺激ではないものの、腰の奥底にどんどんもどかしい疼きが蟠っていく。先程までは欠片も知る由もなかった強烈な感覚に翻弄され、ランチの頭は最早まともに思考できる状態ではなかった。夢にしては感覚がリアルすぎるけれども、まるで本当の事のように感じられる夢もごく稀にあるし、第一オニオンさんが私にこんな事をする筈がないし理由もない、きっとこれは夢だ、もともと酔いが覚めきらず朦朧としていた思考はどんどんと楽な方へと流されていく。
やがてランチが言い返す気力も失った頃合いを見計らってオニオンは指を抜き、ズボンと下着を脱ぎ捨てランチの膝を割り腰を抱え上げる。夢にしては濡れそぼった入り口に宛てがわれる先端がいやに熱い。大した抵抗もなくぬるりと先端が呑み込まれ、狭い内側を無理矢理押し広げられる感覚にランチの顔が歪む。
「あっ……やだぁっ……やです……っ、はっ、あぁっ……、も……入んない……ですからぁ……っ」
「まだ熟れておらず固い果実か、それを暴くのも楽しみの一つというものだ」
「いっ……! あっ、あぁっ! やっ……ああぁっ……! も、むり、入んない……っ、ですから……っ!」
「そんな事を言って、内側は引き込むように動いているぞ。もっと奥まで欲しいのならそう言いなさい」
「ちが……そんな、こと……っ、やっ……あっ、あっ、んあぁっ!」
初めて男を迎え入れた肉のうろはじんとした痛みと異物が入り込んだ違和感を感じているのに、足りなかったものが埋められたような充足感を心のどこかが覚えている。ゆっくりと時間をかけて根元まで受け入れさせられ、それだけで疲労困憊の様相を呈したランチは焦点の定まらぬ目でオニオンを見上げた。
「辛くはないかね?」
「んっ……くるし……もう……っ、ぬいて……くださ……」
「それは出来ん相談だな。君の全てを見ないままでは私も引き下がれんのだよ」
酷薄に笑むとオニオンはランチの腰骨を押さえゆっくり腰を引き強く突き入れた。内壁を強く抉られ奥を突かれ、苦痛とも快感ともつかぬ衝撃にランチの顔が苦しげに歪む。そのまま強く突かれるかと思えばゆっくりと押し入り、かと思えばまた激しく揺さぶられる。予測不能の動きにランチはただ翻弄され強く奥を突かれる度に腰骨の底に響くような感覚を覚え、まともに思考は働かず呼吸するのが精一杯の状態にさせられていた。
「やぁっ、あっ、あぁっ、こんなっ、ゆめ……っ、やっぱり、おかし……っ! はぁっ、あぁっ、くるし……ひゃっ! あぁっ、やだぁっ、あぁっ!」
「たまにはこういう激しい夢も刺激があっていいものではないかね?」
「ああぁっ、ぜんぜん……っ、よくないっ……です……っ、やあっ、あっ、あぁっ、はっ、あっ、あぁんっ!」
「もっとだ……もっと私に、色々な顔を見せてくれ、そうでなければ君の事が分からん」
「やっ……もうっ……むり…………っ、ひっ、はぁっ、あぁっ、ああ……あっ、あっ、んっ……ん…………」
苦悶に歪んでいたランチの表情が穏やかさを取り戻し、かくりと頭が横に揺れる。あんな弱いカクテル一杯でどれだけ酔いが残っているのかと呆れそうになるが、疲れ切って眠り込んでしまったようだった。
どちらにしろ(処女を奪うのはいいとしても)このまま中に出すのはあまりに酷というものだろう。起こさないようランチの中からそっと己を引き抜き、汚れた所を拭いたり服を整えたりと諸々の後始末を済ませ、部屋を出ようとしたところでオニオンはもう一度ベッドの上のランチの寝顔を見やった。
「君についてはまだ分からない事が多すぎるな……それはまたの機会にするとしよう」
感情の読み取れない表情でランチを見下ろし独り言をぽつりと残すと、オニオンは部屋を出て行った。
次の日ランチは案の定昨夜酒を飲んだ後以降の記憶が曖昧になっていて、何かとんでもない夢を見たような気がするし腰回りがやけに痛むけれども一体何故だろうと首を捻り、酒は飲まないようにとサフランにきつく釘を差され世界樹の国の王宮へと帰っていったののだった。
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