指切りしよう
今日も空が青い。まるで吸い込まれてしまいそうな深い色の、でも決して手は届かない青空。
春の霞がかった空の色は輪郭がぼんやりとして、鶯の高い鳴き声がよく似合う。
鶯餅、いやそれよりは蓬饅頭の方が色合い的にはいいだろうか。月替りに出す事にしている季節の菓子を何にするか考えながら、ぼんやりと空を眺める。
こんな時に思い出すその人の面影。忙しくあちこちに移動して捕まらないその人に、今すぐにでも会いたかった。最後に別れる時に再会を約しはしたが、ただの口約束だし何せ気紛れな人だ。
確かな証を求めるその言葉を言い出せはしなかった、「指切りしましょう」
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