窒息するほど愛してほしい
長い口付けの後に口を離したキキョウが息をつく。もっとしたい、そんな欲求が抑えきれなくてキキョウの肩にかけた手に力を込め引くと、キキョウは怪訝な顔をして溜息を一つついた。
「んだよ、まだ足りねぇのか?」
「もっと、したいです……」
「まぁ顔合せんのも大分久方振りだし分からねぇでもねぇけどよ、オレぁもっとその先の事がしてぇんだがな」
「なんというか……その……」
言い辛そうに言葉の続きを口籠り目線を逸らしたリンドウを見て、キキョウは息がかかるほどの距離に再び顔を近寄せる。
「なんだよ、言ってみろよ」
「あの…………口付けを、していると……愛されていると、実感できるというか……」
辿々しく言葉を紡いだリンドウの顔色は耳や首まで赤みを帯びている。弱りきったように眉根を寄せて口の端を歪め、キキョウは鼻から深く息を吐いた。
「何だそりゃ、おめぇオレの気持ちを疑ってやがんのか?」
「そうではなくて……! 兄弟子は、その……だって、モテるでしょう?」
「ああ、そりゃまぁそれなりにはな」
「自信が、ないんです……それは俺には兄弟子が会っていない間に何をしていても咎める権利なんてありませんが……でも、こうして一緒にいる間は、その……兄弟子のことを…………感じていたい、というか……」
目を合わせないままゆっくりと紡がれたリンドウの言葉をキキョウは面倒臭そうに眉根を寄せ聞いていたが、恥ずかしそうに目を伏せたリンドウの頬に手を当てると顔を上向かせる。
「言っとくけどな、おめぇと離れてからオレぁただの一人だって抱いちゃいないぜ。信じるも信じないもおめぇ次第だがな。オレだって自分がこんな義理堅いとは知らなかったぜ」
忌々しげに吐き捨てたキキョウの言葉を、リンドウはぽかんとした間の抜けた顔でただ聞いていた。その様子を見て一つ舌打ちするとキキョウはリンドウの唇に唇で軽く触れ、すぐに離れた。
「信じられねぇならおめぇが満足するまで付き合ってやるよ、息出来なくなっても離してやらねぇからな」
不機嫌そうなキキョウの声に、リンドウは薄っすらと微笑むとはいと答えた。また唇が重なり、今度は当分離れることはないようだった。
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